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龍前院とお大師様

龍前院とお大師様

 

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 当院の本堂の裏側に小さなお堂があります。そして中には小さな石仏が鎮座されています。お参りにこられた方からよく「お地蔵様ですか?」と聞かれますが、実はお大師(弘法大師)様で、相模国準四国八十八ヶ所霊場第57番 浜之郷 八幡宮社頭 伊予栄福寺写と伝えられる石仏です。

 相模国準四国八十八ヶ所霊場とは、江戸 文化・文政年間に流行した庶民信仰で、その名の示す通り四国八十八ヶ所のミニチュア版です。今のように交通の便が整ってはいなかった当時、四国八十八ヶ所を巡拝するのに比べ手軽に巡ることができ、四国霊場を巡拝したと同じ御利益がいただけるといったことで、流行した信仰です。

(詳しくは http://www.sagami88.com/content/view/17/29/ 相模国準四国八十八ヶ所霊場のホームページに書かれておりましので、こちらをご覧ください。)

 八幡宮社頭とある通り、八幡宮とは現在の鶴嶺八幡宮のことで、お大師様は社頭の左手に祀られていたようです。明治 の神仏分離令の際に龍前院にご遷座されました。寺伝によれば当院は、古くは法相宗の寺であり、古義真言宗、鶴嶺八幡宮の僧坊から、永正5年(1508)頃に曹洞宗寺 院として再興されたお寺なので、そういったご縁からお大師様は当院へ移られたのでしょう。

 本年(平成25年)にお大師様のお堂が一新されました。当院へは文化財の梵鐘・五輪塔・庚申塔を見学来られる方が多いですが、相模国準四国霊場のお大師様へも、是非ともお参りください。                  (泰然記)

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