葬儀の意味と役割
葬儀とは、人が亡くなった時に、故人の供養のため、僧侶が導師(儀式執行者)となって行う儀式のことを言います。
参列者が焼香をして供養を行う告別式を同時に行いますので、「葬儀・告別式」と表現されることもありますが、今ではこの二つをあわせた儀式を、単に「葬儀」と呼ぶことが多くなっています。
また、枕経、納棺、通夜、葬儀・告別式、火葬までの一連の流れ全体を、葬儀と呼ぶ場合もあります。
葬儀には、「故人を供養する」という意味があります。
しかし、告別式を同時に行うことに象徴されるように、「故人とお別れをする」という役割もあります。
人は、たくさんの人達との関わりの中で生きています。
それゆえ葬儀は、亡くなった故人だけのものではなく、家族・親族にとっても、関わりのあったたくさんの友人知人にとっても大切な儀式です。
関わりのあった人が集まって、手を合わせると同時に、お別れの時間を共有するという役割もあるのです。
またさらに葬儀には、遺された人の「こころを癒す」という役割もあります。
特に遺族は、大切な家族を亡くすと、こころに大きな悲しみ持つことになります。
枕経、納棺、通夜、葬儀・告別式、火葬というプロセス、そしてその後の納骨や初七日、四十九日というプロセスの中で、何度も故人の死と向き合うことになります。
故人の死と向き合うことは、とても悲しい時間ですが、同時に悲しみを癒す時間でもあるのです。
こうした時間を通して、遺された家族は、故人がもういないという現実を少しずつ受け入れていき、悲しみを癒していくのです。